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  • I want to address the issue of compassion.

    翻訳: Mikako Nakata 校正: Miwa Sasaki

  • Compassion has many faces.

    ”慈悲”について今日はお話したいと思います。

  • Some of them are fierce; some of them are wrathful;

    慈悲というものはたくさんの側面を持っています。

  • some of them are tender; some of them are wise.

    時に激しく、時に怒りとなり、

  • A line that the Dalai Lama once said,

    時に優しく、そして思慮深くもあります。

  • he said, "Love and compassion are necessities.

    ダライ・ラマの一説にこんなものがあります。

  • They are not luxuries.

    彼はこう言いました。「愛と慈悲は無くてはならないものである。

  • Without them,

    それらは贅沢品ではなく、

  • humanity cannot survive."

    それら無しに

  • And I would suggest,

    人間は生きていくことが出来ないものなのだ。」と。

  • it is not only humanity that won't survive,

    私は愛と慈悲なしで生きていけないのは、

  • but it is all species on the planet,

    人間だけではなく、

  • as we've heard today.

    地球上に存在する全ての生物にも

  • It is the big cats,

    同じことが言えると思っています。

  • and it's the plankton.

    大きな猫たちや、

  • Two weeks ago, I was in Bangalore in India.

    プランクトンだってそうです。

  • I was so privileged

    2週間前、私はインドのバンガローにいました。

  • to be able to teach in a hospice

    バンガローのはずれにあるホスピスで、

  • on the outskirts of Bangalore.

    教える機会を持てたことは、

  • And early in the morning,

    大変光栄なことでした。

  • I went into the ward.

    ある日の朝早くに、

  • In that hospice,

    私は病棟を訪れました。

  • there were 31 men and women

    そのホスピスでは、

  • who were actively dying.

    31人の男女が、

  • And I walked up to the bedside

    自身の死と向き合っていました。

  • of an old woman

    私はある老婦人の枕元へ

  • who was breathing very rapidly, fragile,

    近づいていきました。

  • obviously in the latter phase

    彼女の息は、とても速く脆弱で

  • of active dying.

    最期の時が近づいているのが、

  • I looked into her face.

    明らかでした。

  • I looked into the face

    私は彼女の顔を覗き込みました。

  • of her son sitting next to her,

    そして隣に座っていた、

  • and his face was just riven

    彼女の息子の顔を見ました。

  • with grief and confusion.

    彼の顔は、悲しみと困惑で

  • And I remembered

    いっぱいでした。

  • a line from the Mahabharata,

    そして私は、古代インドの大叙事詩である

  • the great Indian epic:

    「マハーバーラタ」のある一説を、

  • "What is the most wondrous thing in the world, Yudhisthira?"

    思い出したのです。

  • And Yudhisthira replied,

    「ユディシュティラ、この世で一番不思議なこととは一体何だろうか?」

  • "The most wondrous thing in the world

    そう聞かれ、ユディシュティラはこう答えました。

  • is that all around us

    「この世で一番不思議なことは、

  • people can be dying

    私達の周りで、

  • and we don't realize

    人々は死んでいくのに

  • it can happen to us."

    それが私達自身にも起こりうるという事に

  • I looked up.

    気が付かないことだ。」と。

  • Tending those 31 dying people

    私は部屋の中を見渡しました。

  • were young women

    31人の死にゆく人を看病しているのは、

  • from villages around Bangalore.

    バンガローの周りにある村から来た

  • I looked into the face of one of these women,

    若い女性たちでした。

  • and I saw in her face

    私はその中の一人の女性の顔をじっと見つめました。

  • the strength that arises

    そして、彼女の顔には

  • when natural compassion is really present.

    真の慈悲を持つ人の

  • I watched her hands

    強さが表れていました。

  • as she bathed an old man.

    患者を風呂にいれている、

  • My gaze went to another young woman

    彼女の手を見ました。

  • as she wiped the face

    別の患者の顔を拭っている

  • of another dying person.

    別の若い女性にも、

  • And it reminded me

    目がいきました。

  • of something that I had just been present for.

    それは私が何のためにここへやってきたのかを

  • Every year or so,

    思い出させてくれました。

  • I have the privilege of taking clinicians

    ほぼ毎年、

  • into the Himalayas and the Tibetan Plateau.

    臨床医の方たちと

  • And we run clinics

    ヒマラヤ山脈、チベット高原に出向いて

  • in these very remote regions

    診療所を開いています。

  • where there's no medical care whatsoever.

    少しも医療というものが設備されていない、

  • And on the first day at Simikot in Humla,

    辺境の地です。

  • far west of Nepal,

    西ネパールのはずれに位置する

  • the most impoverished region of Nepal,

    ネパールの中で最も貧しい地域の一つである

  • an old man came in

    フムラの中のシミコットという町での一日目のことでした。

  • clutching a bundle of rags.

    ぼろぼろの毛布握りしめた、一人の老人が

  • And he walked in, and somebody said something to him,

    やってきました。

  • we realized he was deaf,

    彼が中へ入ってきたので、誰かが声をかけ

  • and we looked into the rags,

    彼は耳が聞こえないのだと気が付きました。

  • and there was this pair of eyes.

    毛布の中をのぞきこむと、

  • The rags were unwrapped

    そこには2つの目がありました。

  • from a little girl

    毛布をはがすと、

  • whose body was massively burned.

    そこにはひどい火傷を負った

  • Again,

    小さな女の子がいました。

  • the eyes and hands

    また、です。

  • of Avalokiteshvara.

    観音菩薩様の

  • It was the young women, the health aids,

    手と目です。

  • who cleaned the wounds of this baby

    医療助手である、若い女性たちが

  • and dressed the wounds.

    この赤ん坊の傷を癒し、

  • I know those hands and eyes;

    その傷に包帯を巻いたのです。

  • they touched me as well.

    私はあの手や目を知っています。

  • They touched me at that time.

    私にも同じように触れたのです。

  • They have touched me throughout my 68 years.

    そう、あの時に私に触れたのです。

  • They touched me when I was four

    68年の間、ずっとです。

  • and I lost my eyesight

    私が4歳で視力を失い、

  • and was partially paralyzed.

    半身不随になったときに、

  • And my family brought in

    それらは私に触れました。

  • a woman whose mother had been a slave

    私の家族は、私の世話をさせるために

  • to take care of me.

    一人の女性を連れてきました。

  • And that woman

    その女性の母親は奴隷でした。

  • did not have sentimental compassion.

    そしてその女性は、

  • She had phenomenal strength.

    感傷的な慈悲を持っていませんでした。

  • And it was really her strength, I believe,

    彼女は驚くべき強さを持っていました。

  • that became the kind of mudra and imprimatur

    そして彼女のその強さが、

  • that has been a guiding light in my life.

    ムドラーのような、私の人生を導いてくれる

  • So we can ask:

    光になったのだと思います。

  • What is compassion comprised of?

    私たちは疑問に思うかもしれません。

  • And there are various facets.

    慈悲とは何によって成り立っているのでしょうか?

  • And there's referential and non-referential compassion.

    慈悲には様々な面があります。

  • But first, compassion is comprised

    そして特定の人へ向ける慈悲、生きとし生けるものすべてへの慈悲があります。

  • of that capacity

    しかし、まず慈悲というのは

  • to see clearly

    苦しみの本質を

  • into the nature of suffering.

    しっかりととらえる

  • It is that ability

    能力を必要としています。

  • to really stand strong

    力強く、その苦しみに耐える力と、

  • and to recognize also

    私がその苦しみと

  • that I'm not separate from this suffering.

    無関係ではないのだということに

  • But that is not enough,

    気付く力です。

  • because compassion,

    けれど、それだけでは十分でありません。

  • which activates the motor cortex,

    慈悲は、

  • means that we aspire,

    脳の運動皮質を活発にするのです。

  • we actually aspire to transform suffering.

    つまり、私たちは実際

  • And if we're so blessed,

    苦しみを変換させることを熱望しているのです。

  • we engage in activities

    もし私たちが恵まれているのなら、

  • that transform suffering.

    それは苦しみを変換するための活動に

  • But compassion has another component,

    参加しているからでしょう。

  • and that component is really essential.

    しかし慈悲はまた別の側面を持ち合わせています。

  • That component

    それはとても大事なものです。

  • is that we cannot be attached to outcome.

    それは、

  • Now I worked with dying people

    結果にこだわりすぎてはいけないということです。

  • for over 40 years.

    私は死に行く人々の元で働いてきました。

  • I had the privilege of working on death row

    40年以上に渡ってです。

  • in a maximum security [prison] for six years.

    重警備の中の死刑囚監房で、

  • And I realized so clearly

    6年間働くことが出来ました。

  • in bringing my own life experience,

    死に行く人々とともに働き、

  • from working with dying people

    介護人を育てることによって、

  • and training caregivers,

    私自身もたくさんの経験を得て、

  • that any attachment to outcome

    はっきりとあることに気が付いたのです。

  • would distort deeply

    結果にこだわることは、

  • my own capacity to be fully present

    すべての悲しみを見渡す

  • to the whole catastrophe.

    自身のキャパシティーを

  • And when I worked in the prison system,

    ひどく歪ませることになる、ということに。

  • it was so clear to me, this:

    監獄のシステム下で働いているときに、

  • that many of us

    別のこともはっきりしました。

  • in this room,

    この部屋にいる

  • and almost all of the men that I worked with on death row,

    私たちの多くは、

  • the seeds of their own compassion had never been watered.

    そして死刑囚監獄で共に働くほとんど全ての男の人たちは、

  • That compassion is actually

    自身の心にある慈悲の種に、一度も水をやっていないことを。

  • an inherent human quality.

    慈悲というのは、

  • It is there within every human being.

    人間が生来持ち合わせているものなのです。

  • But the conditions

    ひとりひとりの中にあるのです。

  • for compassion to be activated,

    しかし、ある特定の状況が

  • to be aroused,

    慈悲を活性化させたり、

  • are particular conditions.

    強めたりするには、

  • I had that condition, to a certain extent,

    必要とされます。

  • from my own childhood illness.

    私の場合は、子供の時の病気で

  • Eve Ensler, whom you'll hear later,

    ある程度その状況になりました。

  • has had that condition activated

    あとであなた方が話を聞くであろう

  • amazingly in her

    イブ・エンスラーは

  • through the various waters of suffering

    素晴らしい事に

  • that she has been through.

    様々な困難を乗り越えることで

  • And what is fascinating

    その状況に出会ったのです。

  • is that compassion has enemies,

    そして何より素晴らしいのは、

  • and those enemies are things like pity,

    慈悲には敵対するものが存在するということです。

  • moral outrage,

    それは、ただの憐みであったり

  • fear.

    道徳上での憤りであったり、

  • And you know, we have a society, a world,

    恐れであったりします。

  • that is paralyzed by fear.

    そしてご存じのように、私たちは

  • And in that paralysis, of course,

    恐怖によって麻痺した社会、世界の中で暮らしています。

  • our capacity for compassion

    その中で、もちろん、

  • is also paralyzed.

    私たちの慈悲に対するキャパシティーは

  • The very word terror

    麻痺しています。

  • is global.

    恐怖という言葉は、

  • The very feeling of terror is global.

    世界共通です。

  • So our work, in a certain way,

    そして恐怖を感じるのも、世界共通です。

  • is to address this imago,

    私たちの仕事は、

  • this kind of archetype

    私たちの世界の精神に

  • that has pervaded the psyche

    染み込んでいる

  • of our entire globe.

    恐怖という成虫の大元と、

  • Now we know from neuroscience

    対峙することです。

  • that compassion has

    現在、脳科学によって

  • some very extraordinary qualities.

    慈悲にはいくつかの驚くべき特性があることが

  • For example:

    明らかになっています。

  • A person who is cultivating compassion,

    例えば、

  • when they are in the presence of suffering,

    慈悲を養っている人は、

  • they feel that suffering a lot more

    悲しみに暮れているときに、

  • than many other people do.

    他の多くの人よりも

  • However,

    大きな苦しみを感じるという事です。

  • they return to baseline a lot sooner.

    しかしながら、

  • This is called resilience.

    彼らは、元の場所にずっと早く戻って来ます。

  • Many of us think that compassion drains us,

    立ち直る力と言われています。

  • but I promise you

    多くの人は慈悲を感じることは、私たちを消耗させることだと思っています。

  • it is something that truly enlivens us.

    しかし、私は確信を持って言います。

  • Another thing about compassion

    慈悲は私たちを活かしてくれるのだと。

  • is that it really enhances what's called neural integration.

    また、別の事もわかっています。

  • It hooks up all parts of the brain.

    脳のすべての部分を繋げている、神経統合を

  • Another, which has been discovered

    慈悲は高めてくれるということを。

  • by various researchers

    エモリー大学やディヴィス大学などの

  • at Emory and at Davis and so on,

    研究者たちは、

  • is that compassion enhances our immune system.

    慈悲は私たちの免疫システムを

  • Hey,

    高めてくれるという事を発見しました。

  • we live in a very noxious world.

    皆さん、

  • (Laughter)

    私たちは、とても毒々しい世界で生きています。

  • Most of us are shrinking

    (笑い)

  • in the face of psycho-social and physical poisons,

    私たちの多くは、この世界の

  • of the toxins of our world.

    心理社会的・身体的な毒によって

  • But compassion, the generation of compassion,

    縮こまっています。

  • actually mobilizes

    しかし、慈悲によって、慈悲を生み出すことによって

  • our immunity.

    私たちの免疫を

  • You know, if compassion is so good for us,

    促進できます。

  • I have a question.

    こんなにも慈悲が素晴らしいものであるなら、

  • Why don't we train our children

    皆さんにお聞きしたいことがあります。

  • in compassion?

    私たちの子供を、慈悲をもって

  • (Applause)

    育てませんか?

  • If compassion is so good for us,

    (拍手)

  • why don't we train our health care providers in compassion

    こんなにも慈悲が素晴らしいものであるなら、

  • so that they can do what they're supposed to do,

    ヘルスケアの提供者に慈悲を身につけさせ、

  • which is to really transform suffering?

    苦しみを軽減させるという、彼らの本来為すべきことが

  • And if compassion is so good for us,

    為されるようにしませんか?

  • why don't we vote on compassion?

    こんなにも慈悲が素晴らしいものであるなら、

  • Why don't we vote for people in our government

    慈悲に基づいて、投票しませんか?

  • based on compassion,

    慈悲を持ちあわせた 政府のメンバーに

  • so that we can have

    投票をすれば

  • a more caring world?

    もっと互いを思いやれる

  • In Buddhism,

    世界になるのではないでしょうか?

  • we say, "it takes a strong back and a soft front."

    仏教には、

  • It takes tremendous strength of the back

    「強さと柔軟性が兼ね備えなさい」、という教えがあります。

  • to uphold yourself in the midst of conditions.

    状況の真っただ中に自分を置くのには、

  • And that is the mental quality of equanimity.

    確固とした強さを必要とします。

  • But it also takes a soft front --

    心の平静です。

  • the capacity to really be open to the world as it is,

    しかしまた、折れない心を持つには

  • to have an undefended heart.

    あるがままの世界を受け入れる

  • And the archetype of this in Buddhism

    柔軟性も必要となってきます。

  • is Avalokiteshvara, Kuan-Yin.

    仏教におけるこの模範は、

  • It's a female archetype:

    観音菩薩様です。

  • she who perceives

    女性の模範です。

  • the cries of suffering in the world.

    彼女は世界中の

  • She stands with 10,000 arms,

    悲しみを感じ取ります。

  • and in every hand,

    彼女は解放を象徴する道具を手にした

  • there is an instrument of liberation,

    1000本の腕をもって、

  • and in the palm of every hand, there are eyes,

    立っています。

  • and these are the eyes of wisdom.

    そしてそれぞれの手のひらには、目が付いています。

  • I say that, for thousands of years,

    知恵の目です。

  • women have lived,

    何千年もの間、

  • exemplified, met in intimacy,

    女性たちは生き、

  • the archetype of Avalokitesvara,

    世界中の悲しみを

  • of Kuan-Yin,

    感じ、受け止める

  • she who perceives

    観音様の教えに

  • the cries of suffering in the world.

    向き合い、

  • Women have manifested for thousands of years

    実証しつづけてきたのです。

  • the strength arising from compassion

    女性たちは何千年も、

  • in an unfiltered, unmediated way

    慈悲を持つことによって生まれてくる強さを、

  • in perceiving suffering

    フィルターを通すことなく、

  • as it is.

    悲しみをそのまま感じ取ることによって

  • They have infused societies with kindness,

    はっきりと示してきました。

  • and we have really felt that

    彼女たちは、社会に思いやりを吹き込んでくれました。

  • as woman after woman

    きっとこの昨日今日と

  • has stood on this stage

    このステージでスピーチをした

  • in the past day and a half.

    女性たちからも、そのことを

  • And they have actualized compassion

    感じられると思います。

  • through direct action.

    彼女たちは、実際の行動で 慈悲を

  • Jody Williams called it:

    具体化してきました。

  • It's good to meditate.

    ジョディ・ウィリアムズは

  • I'm sorry, you've got to do a little bit of that, Jody.

    瞑想はいいことだ、と言っていたけれど

  • Step back, give your mother a break, okay.

    ごめんなさいね、あなたにはあんまり意味がないかもしれないわ。

  • (Laughter)

    少しは休んで、あなたのお母さんを安心させてあげなさいよ。